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「叔母との旅」京都公演感想 [公演感想]

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【感想】(鑑賞日:2021.12.4)(ネタバレあります)
加藤健一事務所公演「叔母との旅」を京都府民ホール・アルティで観てきました。
このお芝居、観る度に心に響く台詞が変わってきます。今回はオーガスタ叔母さんがパターソンさんのことを「愛が何たるかもわかってないくせに」っていうところ。パターソンさんは、旅先で亡くなったヘンリーのお父さんと一緒にいた女性です。彼女の話を聞いてオーガスタ叔母さんは、”ほんの少ししか相手のことを知らないし、良い部分だけしか見ないうちに死んでしまった人を本当に愛しているとは言えない”って思っているんだんぁ~って思いました。でもパターソンさんは心からヘンリーのお父さんを愛し続けているって思っている。
このお芝居の中には色んな愛があってオーガスタ叔母さんから「もう出て行って!」って言われても彼女を愛し続けるワーズワースや、ヘンリーに手紙で想いを伝えるキーン、オーガスタ叔母さんのヴィスコンティへの愛・・・ それぞれ共感できるところもあればできないところもありますが、どの人も自分の愛を信じて大切にしているのが伝わってきました。

オーガスタ叔母さんが予定通りに帰ってこないヴィスコンティのことを心配して「あの人、どこかで壁にぶつかってるんじゃないかしら。だとしたら、私もぶつかる壁を見つけないと!」っていう台詞があって(壁=死を意味しています)、この言葉にオーガスタ叔母さんの想いを強く感じました。京都公演では叔母さんがヴィスコンティと踊るシーン、とても感動しました。

このお芝居は、オーガスタ叔母さんは加藤健一さん一人が演じ、ヘンリーは加藤健一さん、天宮良さん、清水明彦さん、加藤義宗さんの四人で演じられます。同じ場面で複数のヘンリーがいる時もありますが、話してるヘンリーとそばにいるヘンリーは彼の心の内を表しているように思いました。
24役を4人で演じるってどうなるのかな?って思ったけれど、スピード感があるし、個性的な役が多いのに不思議とその人に見えます。
「叔母との旅」のお芝居、とても面白くて、楽しかったです。

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「叔母との旅」初日感想 [公演感想]

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加藤健一事務所vol.111
「叔母との旅」
原作:グレアム・グリーン
脚色:ジャイルズ・ハヴァガル
訳:小田島恒志
演出:鵜山 仁
CAST
加藤健一 天宮 良 清水明彦(文学座) 加藤義宗
STAFF
美術:乘峯雅寛 照明:古宮俊昭 音響:秦 大介 衣裳:加納豊美 舞台監督:畑﨑広和

【あらすじ】
2年前、勤めていた銀行を53歳で早期退職、庭のダリアをいじるだけの平穏な暮らし、それがヘンリーの日常。父は40年前に他界、86歳で亡くなった母の葬式で、母の妹であるオーガスタ叔母さんに再会。年齢や常識にとらわれないエキセントリックな叔母から出てくる話はどこか怪しくて…。思いがけず一緒に行くことになった旅先で、スーツケースに金塊は入ってるし、ホテルに警察は乗り込んでくるし、関わる男は指名手配犯?おまけに留置場まで体験してしまった。叔母に巻き込まれたスリリングな日々は、これまで静かに暮らしてきた男の本能を刺激し始める。人生に、今更スタートできないものなんて無いのかもしれない。(加藤健一事務所HPより)

【感想】
加藤健一事務所公演「叔母との旅」を池袋・サンシャイン劇場で観てきました。劇場に入ると舞台にセットが配置されているのですが、今までの加藤さんのお芝居とはちがう不思議な空間でした。これからどんなお芝居が始まるんだろう?ってワクワクする舞台装置です。
一人で何役も演じるお芝居と聞いていたので、どんな風になるんだろう?って思っていましたが、始まって5分もするとお芝居の世界に入っていけました。
加藤さんが演じるオーガスタ叔母さんが素敵です。一目でこの人いいな~って思いました(笑)生き生きとしていつも輝いてる感じ。ヘンリーに”あなた、自分が正しいと思ってるでしょ”って言う台詞が印象に残っています。オーガスタ叔母さんがヘンリーの固定観念をだんだんとときほぐしていくのがわかります。
ヘンリーは複数の人間で演じられるけれど、違和感がなかったです。4人のアンサンブルがすごい! 台詞の割り振りとかも面白かったです。
映像もあって、自分が行ったことのないところに足を踏み入れる感じがしました。最初は”これからどこに行くんだろう?”っていう不安の方が強いけれど、だんだんと”これから行くところはどんな風なんだろう?”っていう期待に変わっていました。色々と書きたいのですが、それは千穐楽が終わってからにしたいと思います。

東京公演は11月28日までです。詳細はこちら。ぜひ「叔母との旅」を劇場で観て、オーガスタ叔母さんに会ってほしいです。人生が変わる出逢いってあると思います。私はこのお芝居を観て新しいことにチャレンジしたくなりました。

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「ショーマストゴーオン」京都公演感想 [公演感想]

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【感想】(鑑賞日:2021.9.18)
加藤健一事務所公演「THE SHOW MUST GO ON」京都公演を観てきました。
台風接近のニュースで交通機関が乱れるんじゃないかとハラハラしましたが、当日は雨もあがりました! お芝居の中で上演するのは「GODSPEED」というタイトルで、”ごきげんよう”って訳されていますが、”道中ご無事で”という意味だそうです。このお芝居にピッタリだなぁ~って思います。お芝居を観てから加藤健一さん、小田島恒志さん、堤泰之さんのインタビューを読み返すと発見があって面白かったので、ぜひ。こちらです。

ゴードン・ミラー(加藤健一)たちは何とかして新作のお芝居を上演しようと涙ぐましい努力をします。やっと迎えた初日なのに支配人のワグナー(新井康弘)に嘘がばれてしまい、舞台装置をブルドーザーで壊すと脅される時は、”それは酷すぎる・・・”と悲しい気持ちになりますが、このお芝居のエンディングがすごくいいので、気持ちがドン底からバンって跳ね上がります(笑)

登場する人物の呼び方がミラーって呼んだり、ゴードンって呼んだりするからちょっとややこしいんですよね。特に登場してない人のことを話す時、”誰のこと?”って最初は思ってましたが、何回か観ていくと、冒頭でサーシャ(辻 親八)がミラーに「マニー(岡﨑加奈)にお聞きかと思いますが」って言ってることや、ワグナーは最初から副社長の地位を狙ってたことなどに気づいて、ちゃんとつながってるんだ~って思いました。

 女優でありミラーの恋人のクリスティン(加藤忍)が作家のレオ(千葉健玖)に「こんなことにならなかったら、笑い話で済ませられたと思わない?」「最後までゴードンについていったら」って話すところが観る度にいいな~って思いました。ミラーの仲間たちの想いがこの言葉に現れている気がします。
 ミラーが大金を手にした時、”これで劇場を買う!”って言ったのが印象に残ってます。フェイカー(伊原 農)が「1ドルなんて~以来目にしてない」(←台詞を忘れてしまいました)って言った時に思い切り笑うのも、ミラーらしくて好きです。どんなピンチでも切り抜けようとするパワーはホントすごい! でもすることなすこと裏目に出るって落ち込むミラーを見ると切なくなりました。

 好きな場面は一杯ありますが、レオがピンチになった時に「ホテルでは見たことがないような演技をしてみせます!」って言うところ、演出家のハリー(土屋良太)がさりげなくレオを演出してるところ、制作助手のフェイカー(伊原 農)が上演中の芝居の様子をミラーたちに伝えるところ、マニーがサーシャの舞台を観て感激しているところ、グリブル(奥村洋治)が”やっぱり医者を呼べば良かった”と後悔しているところ、グラス医師(辻 親八)がワグナーに怒りをぶつけるところ、取り立て人のホガース(林 次樹)の大阪弁、ワグナーが賛美歌を無理矢理歌わされるところが良かったな~
 音楽も心が躍りました。照明はポーカーの場面で光が窓から差し込んでるのがとてもきれいでした。衣装ではミラーのピンクのシャツが一番好きかな。加藤さんにとってもよく似合ってると思います。
 「ショーマストゴーゴン」のお芝居をこの時期に観ることができて、本当に良かったです。キャスト、スタッフの皆様、ありがとうございます。このメンバーでまた再演があったらいいな~

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「ショーマストゴーオン」本多劇場千穐楽感想 [公演感想]

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【感想】
加藤健一事務所公演「THE SHOW MUST GO ON]」本多劇場千穐楽を観てきました。
すごく楽しくて大笑いしました。こんな笑えて幸せな気持ちになるお芝居を観られたことに感謝しています。
初日を観たのでストーリー展開はわかってるけれど、”次にドアから出てくるのは誰だったかな?”って思いながら観てました。意外に忘れていて新鮮でした。初日には聴き逃していた台詞がいくつかあってそれも全部楽しめました。細かい台詞も面白いし、”ここでこんなこと言ってたんだ・・・”っていう気づきもありました。お芝居を十二分に楽しめた感じ(笑)
以下、ネタバレあります。

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「ショーマストゴーオン」初日感想 [公演感想]

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加藤健一事務所vol.110
「THE SHOW MUST GO ON」
作:ジョン・マーレイ アレン・ボレッツ
訳:小田島恒志
演出:堤 泰之
CAST
加藤健一 新井康弘 辻 親八 奥村洋治(ワンツーワークス) 林 次樹(Pカンパニー) 土屋良太 伊原 農(ハイリンド) 千葉健玖(Studio Life) 加藤 忍 岡﨑加奈
STAFF
美術:乘峯雅寛  照明:古宮俊昭  音響:秦 大介 衣裳:竹原典子  ヘアメイク:川村和枝 舞台監督:大山慎一
【あらすじ】
ブロードウェイ、とある二流ホテルの一室。ここには演劇プロデューサーのゴードン・ミラー(加藤健一)が暮らしている。彼の劇団は今、新人作家の脚本でもうすでに7週間も稽古を積んでいる芝居がある。芝居の出来は上々。いつ初日を迎えても良いくらいだけど、足りないものがあと一つ――そう、ショービジネスを成功させるために重要な多額の資金だ。だがミラーの劇団は経済的に大ピンチ。今すぐスポンサーを見つけなければ、初日を迎えるどころか、このホテルから追い出されてしまう。だって、ミラーのツケで22人もの劇団員たちがこのホテルに内緒で飲み食い寝泊りしているのだから。ホテルの支配人も黙っちゃいない。ぶ厚い請求書を突きつけて「支払えないなら出て行け!」とうるさくミラーにつきまとう。そうとなったら残された道はただ一つ、いつものあの手、トンズラだっ!! そう思ったその矢先、都会暮らしを始めようと田舎から出てきた新人作家がミラーを頼ってやってくる。演出家と制作助手も荷物をまとめてミラーのもとへ転がり込んできた。次から次へと降りかかる面倒な事件。なんてこった、一体いつになったら芝居は打てるのか?
「この芝居が当たったら、ちゃんと支払います。だからそれまで待って…。」
そこへまさに渡りに船、ついにスポンサーが現れた!だが、世の中そんな甘いワケがない!!
崖っぷちからの起死回生!?ミラーと劇団の運命やいかに!?(加藤健一事務所HPより)

【感想】
加藤健一事務所公演「ショーマストゴーオン」の初日を本多劇場で観てきました。
すごく楽しかったです。”どうなるんだろう?”って思っていたら、あっという間に一幕が終り、2幕も最後の最後までハラハラしていました。まだ公演が続くのでラストは書きませんが、幕が終わった後、”何も考えずに観ていたなぁ~”って思いました。コロナを忘れていました。今、そう時間を持てて嬉しかったです。心が癒やされました。
感染対策は丁寧にされていました。観るかどうか迷っておられる方、このお芝居おすすめです!
以下、ネタバレあります。

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「ドレッサー」京都公演感想 [公演感想]

【感想】
加藤健一事務所公演「ドレッサー」京都公演を京都府民ホール・アルティで観てきました。前日の夜に兵庫公演中止をネットで知り気持ちが不安定でしたが、当日は京都公演のことだけ考えて集中して観ようと思い席に着きました。座席は11列めでしたがとても観やすかったです。

舞台から大きなパワーを感じました。1幕の終わりに座長(加藤健一)が空爆するドイツ軍に向かって「私の台詞のひと言ひと言は、お前らの悪虐非道を跳ね返す盾になり、お前らの脅威から身を護るとりでとなるだろう」と言う言葉が心に響きました。"守ってもらってる”と感じました。これまで感じたことのない感覚でした。
2幕で座長がリア王に扮して座ってスタンバイしている時は、独特の存在感に目が釘付けになりました。加藤さんじゃない、リア王そのものでした。
嵐の場面の効果音を出すシーンがあるのですが、東京公演の時よりも激しくなってるように感じました。劇場の音響効果のちがいかな? それとも30ステージ以上の公演を重ねてきたから?

お芝居が進むにつれて、座長の顔がすっきりとしてきて、かっこいいな~と思いました。座長はとても魅力的です。
劇中劇の「リア王」のカーテンコールの挨拶は、コロナ禍の今の状況と重なります。座長の挨拶の後、客席から拍手が起こりました。皆の気持ちが一つになった気がしました。

終演後の加藤さんと加納さんのアフタートーク、色々なお話が聞けて楽しかったです。

「ドレッサー」のお芝居を観ることができたことに心から感謝しています。
これでまたがんばれそうです。
このような状況の中、素敵な舞台を創って観せてくれたキャスト、スタッフの皆様、本当にありがとうございます。

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「ドレッサー」東京公演感想 [公演感想]

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加藤健一事務所vol.109
「ドレッサー」
作:ロナルド・ハーウッド
訳:松岡和子
演出:鵜山 仁
CAST
加藤健一 加納幸和(花組芝居) 西山水木 佐伯太輔 岡﨑加奈 照屋実・一柳みる(昴)
STAFF
美術:石井強司 照明:古宮俊昭 音響:秦 大介 衣裳:加納豊美 ヘアメイク:馮 啓孝 舞台監督:畑﨑広和 髙崎芳秀 制作:加藤健一事務所
【あらすじ】
第二次世界大戦下のイギリス、とある一座が空爆に怯えながらも巡業を続けていた。そんな中、心身ともに疲弊しきった座長(加藤健一)は突然街中で奇行に及ぶ。目も当てられない座長の様子に、その夜の上演を中止しようとする舞台監督のマッジ(一柳みる)と座長夫人(西山水木)。
だが長年座長に仕えてきたドレッサー(付き人)のノーマン(加納幸和)だけは、座長に宿る演劇への情熱を信じ、一度でも舞台の幕が開かない日があってはならないと、なんとか上演に向けて孤軍奮闘する。
しかし、すっかり憔悴した座長を始め個性豊かな面々に振り回され、上演中もてんやわんやの舞台裏。
そしてクライマックス、それぞれが胸に秘めた思いが明かされる・・・。(加藤健一事務所HPより)

【感想】
加藤健一事務所公演「ドレッサー」を東京芸術劇場プレイハウスで観てきました。
機材故障でなかなか客席には入れなかったけれど、定刻どおり幕があいてほっとしました。
プレイハウスは初めて行く劇場なのでなんとなく落ち着けなかったけれど、舞台に加藤さんが出てきてくれるといつもどおりの感覚で舞台に集中できました。
以下、ネタバレあります。

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「プレッシャー」兵庫公演感想 [公演感想]

【感想】(ネタバレあります)
加藤健一事務所「プレッシャー~ノルマンディーの空~」の大千秋楽は兵庫公演、この日も快晴でした!
兵庫芸術文化センター阪急中ホールは、前の2列は空席でしたが前後左右の空席はなく、ほぼ満席に近い客席でした。やっぱりいいですね。
千秋楽の公演は、これで終わるんだぁ・・・って思って感傷的になったりもしますが、途中からはお芝居の世界に引き込まれ、集中して観ることができました。

スタッグ博士(加藤健一)は、ノルマンディー上陸作戦の決行日の天気を予測するために作戦本部に缶詰状態ですが、出産を間近に控えた妻の血圧が高く、妻や子供の命が危ないかもしれないという不安でいてもたってもいられなくなり、入院中の妻に会いに行こうとします。それをケイ(加藤忍)が「自分が行って様子を見てくるから博士はここに残ってください」と説得します。何度観てもこの時のケイの声は思いやりに溢れていてやさしいな~って思います。ケイはアイゼンハワー(原康義)も説得して病院へ行き、作戦会議の途中で戻ってきてスタッグ博士にメモを渡します。このメモに何が書いてあるのかその時はわからないけれど、読んだ後の博士の発言がとても力強く、印象に残っています。博士の今までの経験と直感がアイゼンハワーの気持ちを動かし、司令官たちを信用させたと思いました。

スタッグ博士は自然のことをよくわかっていて、自然と共に生きている人だと思います。
このお芝居を観ていて、自然を人間が破壊していくのはそろそろやめていかないと・・・って思いました。それと一つ一つの命を軽く見るような思想がはびこるのは怖いな~とあらためて感じています。

ラストシーンはスタッグ博士が天気図を愛おしそうに触れた後、光に手をかざすシルエットで終ります。そのシルエットがとても素敵でした。舞台写真がこちらにUPされています。

無事に全公演が上演されて本当に良かったです。
キャストの皆様、スタッフの皆様、そして劇場でご一緒させていただいた皆様、本当にありがとうございます。劇場でお芝居を観ると、心が癒やされ、元気になることを実感しています。
公演が終わってしばらく経ちましたが、私はもう少し「プレッシャー」のお芝居の余韻を楽しみたいと思っています。

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「プレッシャー」京都公演感想 [公演感想]

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【感想】(ネタバレあります)
朝からとてもいいお天気でした。本多劇場公演中もずっと晴れていたそうで、お天気の神様が守ってくれているのかな・・・
京都府民ホール・アルティは大好きな劇場で、気持ちが落ち着きます。客席に座ると、開演前から加藤健一事務所のお芝居を楽しみに待っていたっていう空気が伝わってきました。
そしていよいよ開幕!
ケイ(加藤忍)が手紙を読んでいる時に、聞こえる爆撃機の音が本多劇場よりクリアに聞えました。座席の位置のせいかな? 劇場が変わったから?
そしてスタッグ博士(加藤健一)の登場!加藤さんが舞台に出てきてくれると嬉しいです。
本多劇場千秋楽から10日ぶりで観た「プレッシャー」のお芝居はとても良かった。気持ちが引き込まれました。一幕はこれからどうなっていうかわからないという緊張感、二幕はどんどん展開していきます。スタッグ博士はほとんど笑わないけれど、ラスト近くになってやっと笑顔を見せてくれます。
特にケイと乾杯する時の笑顔を見て、私も思わず笑っていました。

終演後はアフタートークがありました。いつもはロビ-で行われますが、今回は加藤健一さんと山崎銀之丞さんは舞台で、私たちは客席に座ったままでした。この時期にアフタトークが聴けて嬉しかったです。
加藤さんがこの戯曲を上演したキッカケは、実際にロンドンで「プレッシャー」を観た方から勧められたからだそうです。読んでみたら面白かったからすぐに上演を決めたけれど、実際に演じてみると、気象用語が多くてとても大変だったそうです。実際の気象予報士さんも20人くらい観てくれると聞いていたので、それもプレッシャーだったそうです。
山崎さんは、加藤さんが出演された「熱海殺人事件」を故郷の九州で観て、それが役者になった原点だそうです。翻訳物とミュージカルは出ないって思っていたけれど、加藤さんからのオファーは断れるわけがない、どんな役でも出たいと思われたそうです。
加藤さんと山崎さんは大山金太郎や、「蒲田行進曲」の銀ちゃんなど、共通した役を演じられてるそうです。どんな舞台だったのかな? 観られた方々がうらやましいです。

幕が下りないので、一幕と二幕の休憩時間はスタッフの方が場面転換をしているのを見ることができます。風速計が取り付けられたりして面白かったです。そして最後に丁寧にテーブルや椅子をアルコール除菌されていました。お稽古中もずっとこうされていたんだろうなぁ~って思いました。

京都公演の座席は50%収容で、前売り発売後すぐ完売していました。観たくても観られない人が多かったんじゃないかなぁ・・・ 来演の4月24日に「ドレッサー」の京都公演が決まってるのが嬉しいです。カーテンコールで加藤さんが「4月までお元気で」って言ってくれた言葉が心に残りました。

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「プレッシャー」本多劇場千秋楽感想 [公演感想]

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【感想】(ネタバレあります)
加藤健一事務所公演「プレッシャー」本多劇場千秋楽の感想です。
すごく面白かったです。テンポも良くて、お芝居の世界に引き込まれました。
後半、ノルマンディー上陸作戦の延期が決定した後、スタッグ博士(加藤健一)が天気図を見てあることに気づき、データを必死で集め始めます。たくさんのデータが集まってくるんですが、それをスタッグ博士の頭の中で解析されて一つの結論が導き出されるのが、すごいなぁ~って思いました。今の時代だったらスーパーコンピューターで解析するんのだろうけど・・・ 一日だけの晴れ間が出るという予測がアイゼンハワー(原康義)に伝わっていく時はワクワクしました。
アイゼンハワーは、この上陸作戦をアメリカンフットボールの試合に例えて、”皆でゴールを目指す”と言いますが、ラストで見事にタッチダウンが決まった時は、ドラマが完結したなぁ~って思いました。

このお芝居は、作戦の裏で活躍している人たちにスポットが当たります。表はアイゼンハワー大将を筆頭とする軍人たちですが、影で支えているのは、気象を予測するスタッグ博士、クリック大佐(山崎銀之丞)、それを補佐するカーター(西尾友樹)や海軍気象官(鈴木幸二)たち、そしてアイゼンハワーの運転手兼雑用係のケイ・サマズビー(加藤忍)。この中で誰が欠けてもこの作戦は成功しなかったと思います。素晴らしいチームです。

舞台装置は少し斜めに傾斜しています。高気圧と低気圧を表しているのかな? 少し不安定な感じがします。そしてなんと言っても天気図! 苦手意識があったんですが、何回か見る度に慣れてきて親しみが湧いてきました。そしてラストの天気図を見ると、私も嬉しくなりました。

「どれほどの知識があっても自然現象を先読みすることはできない、たぶん200年経っても変わらないだろう」と言うスタッグ博士の言葉が心に残っています。人間にはどうしようもできない状況があって、それをわかっていながらも気象予測に挑戦するスタッグ博士と、コロナ禍の状況下でお芝居を上演する加藤さんが重なります。
様々な困難とプレッシャーの中、素晴らしいお芝居を観せてくれた加藤健一さんはじめキャストの皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございます。
今は日常で色々な制約があったり、不安もあって、イライラしたりストレスを感じやすくなっているけれど、加藤健一事務所のお芝居を観て、心が柔らかくなったと思います。心に栄養を与えてもらって、元気になりました。
「プレッシャー」この後、京都公演、兵庫公演があります。どうか無事に上演できることを祈っています。

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