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BLISS SPRING SPECIAL CONCERT [ライブ]

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加藤忍さんの自主企画ライブコンサート、昨年に引き続き春も開催されます!
春のコンサートは加藤忍さん、加藤健一さん、ピアニストの鈴木永子さんの三人で。
昨年は春らしい歌をたくさん歌ってくれました。毎回心に響く歌を歌ってくれます。
楽しい趣向もあって、今年はどんなライブなのかとっても楽しみです。

加藤忍 自主企画制作ライブ
BLISS SPRING SPECIAL CONCERT vol.14
4月29日(祝土)12時オープン・13時ライブスタート
4月30日(祝日)12時オープン・13時ライブスタート
【ボーカル】加藤忍・加藤健一
【ピアノ】鈴木永子
【場所】コムカフェ音倉(オーガニックレストラン&ライブハウス)
【料金(税込)】5500円(ライブ゙料金5000円+1ドリンク代500円)
【チケット予約】ブリス企画 TEL080‐9465‐1031(10時~18時)shinobu.moon.bliss@gmail.com
(チラシより)※BLISS企画は加藤忍の自主企画です。加藤忍が仕事や稽古のため、留守電になっている場合がございます。その場合は、ご連絡先(電話番号)を残してください。必ず折り返しご連絡いたします。ご不便をかけますがよろしくお願いいたします。

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「グッドラック、ハリウッド」公演感想 [公演感想]

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【感想】(ネタバレあります)
加藤健一事務所公演「グッドラック、ハリウッド」の感想です。
とても面白かったです。初日から何回か観ましたが、観る毎に感じることがちがったり発見があったりしました。まずボビー(加藤健一)のことから書きます。
暗転から明かりがつくと、ボビーは机の上にのって梁にロープをくくりつけている。異様なシーンなんですが、ボビーの姿が絵になっていて格好いいな~と思ってしまいました。そこへデニス(関口アナン)が偶然入ってきます。二人の会話が面白かったです。世代のちがいも感じました。
9年間映画を撮っていないボビーは仕事をしたくて仕方がない。ボツになった自分の台本をデニスの名前で売り込もうとします。売り込みは成功したけれど、ボビーが監督をするという条件は却下されデニスが監督をすることに。仕方なくボビーはデニスに毎日こっそり指示を出し裏で監督することにします。もしこれが上手くいけばもう一度返り咲けるという野心を持ちながら。
しかし完成した映画はデニスの思う通りに作られていました。愕然としているところにデニスがやってきます。映画の評判がよく上機嫌だったデニスですが、ボビーに嫌みを言われると豹変しボビーを”あんた”呼ばわりします。初日はこれを聞いて腹が立ちました。よく考えるとデニスは自分を利用して返り咲こうとするボビーの魂胆に途中で気づき、そうはさせまいと自分がいいと思う表現に変えたんでしょうね。
助手のメアリーは「この映画は良いと思う、二人の良さが出てる。共同作業は上手くいった」と評価します。でもプライドの高いボビーは100パーセント自分の作ったものしか認めない。「だったら、映画作りはやめてください」ってメアリーに言われて、ボビーは「私を誰だと思っているんだ、ボビー・ラッセルだぞ!」と怒ります。そう言った後の彼の表情が心に焼き付いています。自分の作ったものへの自信と、今はその名前が必要とされていないことを実感した瞬間だと感じました。
一人になったボビーはまた机に登りロープを手にします。初日は、”まさか・・・、いやそんなことはしないはず・・・”という気持ちが心の中に渦巻いていました。
そこへまたデニスがやってきます。必死で止めるデニスに、ボビーは「今の世の中には、愛と癒やしの映画はもうない。破壊の映画ばかりだ・・・」と話します。その言葉に感動しました。加藤さんが人のあたたかい方の心の扉をノックする芝居を作り続けている気持ちと重なります。
そしてボビーがナイフでロープをスパッと切った時、気持ちがすっとしました。あのロープは目障りで見ると気持ちがざわついていたから。ボビーは自分はパリに行くからと言ってデニスに後を託します。その時のボビーの言葉は本気だと感じました。自分のポケットチーフをデニスの胸ポケットにそっと入れる仕草も良かったです。
「さらば、あとはよろしく」と言って立ち去るボビー、実は初日、”ボビーはもう映画は作らないんだなぁ・・・”と思って寂しさを感じましたが、ボビーは自分の作りたい映画が作れなくなった場所にいるのをやめたんだ、と思うようになりました。ボビーの決意に大きな拍手をおくりたくて、千穐楽では精一杯手を叩きました。

デニスは最初、名監督ボビー・ラッセルを崇拝していて素直な感じだったんですが、だんだんと変わっていくのに驚きました。助手のメアリー(加藤忍)と話してる時は横柄で、ボビーといる時とは別人のよう。デニスがボビーのひげそりを使ってるの場面があるのですが、違和感がありました。ボビーに許可をもらったと言ってるけれど、嘘じゃないかと思いました。自分のものをとても大切にしているボビーと、使えるものなら何でも使ってもいいと思っているデニスがここで対比されているように思います。ボビーに自分の言いたいことを言い放つデニスですが、しばらく経つと「言い過ぎました」と謝りにきます。その言葉に嘘がなさそうなので、まぁいいかって思えました。デニスってなぜか憎めないんですよね。デニスはボビーの映画は全部観ていて彼を尊敬しているってことは事実だし、あの映画も全くボビーの教えを全く無視したわけじゃないと思っています。

メアリーはボビー・ラッセルと仕事がしたいと思ってハリウッドにやってきた女性。本も映画もたくさん観てきて、夫と離婚して子供を育てるために色々な仕事をしてきている。とても魅力的です。
メアリーがデニスに「ボビーは人が見たいものを作るんじゃなくて、自分が見たいものを作るんです、だから彼は偉大なんです」って言う言葉を聞いて、芸術と商売のちがいを感じました。デニスは人が喜ぶもの、受けるものを敏感にキャッチする能力はあるけれど、それは商売であって芸術じゃないと思います。
ボビーのことが心配で車でかけつけるシーンが好きです。ボビーが死にたくなるような状況をなんとか変えようとする彼女の気持ちが伝わってきました。ボビーに「もう映画作りはあの人たちにまかせましょうよ。もう十分それも良い形で作ってきたじゃないですか」と説得する場面は感動しました。ボビーに「映画作りをやめてください」なんてメアリーにしか言えないと思います。「2週間休暇を取ったからパリを案内してほしい」とボビーを誘うのもさすがだと想います。ボビーが新しい一歩を踏み出せるための逃げ場所を用意してあげてる気がします。

とても面白くて素敵なお芝居です。観てる時も楽しめるし、観た後も楽しめる。私は観る度にこのお芝居が好きになっていきました。終わってしばらくは気が抜けてしまって感想を書くのも遅くなってしまいました。
素晴らしいお芝居を作って上演してくれた加藤健一さん、加藤忍さん、関口アナンさん、スタッフの皆様、ありがとうございます。心に残るお芝居でした。ぜひ再演してほしいと思っています。

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「グッドラック、ハリウッド」初日感想 [公演感想]

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加藤健一事務所vol.114
「グッドラック、ハリウッド」
作:リー・カルチェイム
訳:小田島恒志
演出:日澤雄介
CAST:加藤健一 関口アナン 加藤 忍
STAFF
美術:乘峯雅寛 照明:古宮俊昭 音響:秦 大介 衣裳:竹原典子 ヘアメイク:馮啓孝 舞台監督:畑﨑広和
上演時間:2時間(休憩なし)

【あらすじ】
とあるオフィスのスプリンクラーから垂れ下がった、先に輪のついたロープ。そして机の上に立つ男。偶然入って来た若い作家のデニス(関口アナン)がハリウッドに来て早々に出会った不審なその男は、過去に大成功を収めた憧れの名監督で脚本家のボビー・ラッセル(加藤健一)だった。しかし今、ボビーの脚本を映画会社は受け入れてくれない。求めているのは質の良い脚本でも、監督の実力でもない。デニスのような「トレンドに乗った人間」なのだ。
この衝撃的な出会いをきっかけに、新旧の二人は詐欺まがいな共同作業をすることになる―誰も傷つかない嘘をつこうじゃないか。何も知らない助手のメアリー(加藤忍)は、そんな二人の違和感に気付きボビーを心配し始める。垂れ下がり続けるロープ、そしてクランクアップした映画が三人にもたらした新しい人生、待ち受ける人生とは…。(加藤健一事務所HPより)

【感想】
加藤健一事務所公演「グッドラック、ハリウッド」を本多劇場で観てきました。
暗転になり音楽が流れてくると、気持ちがハリウッドに向かってました。
明るくなると、机の上にボビー(加藤健一)が立っていて、つり下がったロープを手にしている。不穏な空気。そこにデニス(関口アナン)が部屋を間違えて入ってくる。二人の会話が面白いです。ボビーのジョークも笑える。
ボビー、デニス、そして助手のメアリー(加藤忍)の三人がそれぞれ複雑な感情を持っていて、それが変化していくのが面白かったです。三人が舞台上で一緒にいるシーンは少なくて、ほとんどが二人ずつなんですが、デニスがボビーといる時とメアリーといる時で全く別人のようだったりします。メアリーもデニスといる時にボビーに対する気持ちを話したりします。
ボビーが自分で書いた台詞とデニスが書いた台詞を比較するシーンがあるのですが、私はボビーの書いた台詞の方がずっといいなぁ~って思います。なのに、今の映画界ではデニスの方が受け入れられるという現実。自分がよくないって思うものがもてはやされて、いいって思うものが否定される状況ってかなり辛いだろうな~って思いながら観ていました。
ボビーが今の映画界に対する想いを話すシーンがあるのですが、そこはぜひ劇場で聴いてほしいです。
最後の最後までハラハラするお芝居です。このお芝居はネタバレしない方がいいと思うので、初日のラストの感想は千穐楽が終わってから書きたいと思います。

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