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「ジン・ゲーム」初日感想 [公演感想]

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加藤健一事務所vol.115
「ジン・ゲーム」
作:D.L.コバーン
訳:吉原豊司
演出:小笠原響
CAST:竹下景子 加藤健一
STAFF
美術:乘峯雅寛 照明:古宮俊昭 音響:秦 大介 衣裳:竹原典子 ヘアメイク:馮 啓孝 舞台監督:笹原久義
上演時間:2時間(休憩15分を含む)

【あらすじ】
春。老人ホームのサン・デッキで出会ったフォンシア(竹下景子)とウェラー(加藤健一)。
入居者や食事や看護師への愚痴で息の合う二人。ホーム独特の空気感に馴染めない二人は、トランプ遊びを始める。時間つぶしがてら気軽に始めたゲームだが、初心者のフォンシア相手に全く勝てないウェラーは、対戦を重ねるごとに苛立ってきて…。(加藤健一事務所HPより)

【感想】
加藤健一事務所公演「ジン・ゲーム」の初日を本多劇場で観てきました。
シビアなお芝居なのかな~と思っていましたが、思っていた以上に笑えました。あるあるってことも一杯。このお芝居を観て、友人って大切だな~と思いました。それと年配の人を子供扱いしてはいけない、人のプライドは大切にしないといけないな~と思っています。
以下、ネタバレの感想になります。

あるあるって思ったことは、病院や介護施設で、職員の人が患者さんや入居者の人に子供言葉で話しかけること。嫌だなぁ~って思う人いますよね。
ウェラー(加藤健一)は杖はついているけれど、元気そうでお金もちって感じ。フォンシア(竹下景子)はクリスチャンの両親に育てられて、まじめな感じです。フォンシアは外国のマダム風で素敵。
面会日に誰も訪ねてこないウェラーは、同じような境遇のフォンシアをトランプに誘います。ジンゲームをやったことのないフォンシアにウェラーは教えながら始めますが、フォンシアはめちゃ強い! だんだんウェラーの機嫌が悪くなってきます。フォンシアは勝ち続けますが、なんか竹下さんが演じているせいか勝ってもおかしくないと思いました。ゲームをしながら少しずつ自分のことを話し始めるんだけど、フォンシアの話の途中でウェラーが何回も遮ったりするのも可笑しかったです。
負け続けるウェラーは暴言を吐き、トランプをぶちまけ、テーブルまでもひっくり返してしまいます。一番前の席で観ていたのですが、ちょっと怖かったです。フォンシアも怖くてもうウェラーとはジンゲームをしたくないって思うのも当然だと思います。

嫌がるフォンシアになんとかジンゲームをさせようと躍起になるウェラー。入居者の人に偽の伝言を頼んで呼び出したりするのは、かわいいな~って思いました。
根負けしたフォンシアはまたジンゲームをするのですが、観ている私もゲームの展開に集中していって、途中でちょっとしんどくなってくる位でした。なんか不気味な音も聞こえてくるし・・・
ウェラーが興奮しすぎるので、発作をおこさないかな~ってちょっと心配になりました。途中でこのお芝居、どういう風に終わるんだろう? もしかしてウェラーは病気になって他の施設に行ったりするんじゃないか? とか考えてしまいました。そういう展開じゃなかったので、ほっとしました。

ジンゲームの途中の会話が面白いです。フォンシアは本領発揮って感じになります。ウェラーは興奮しすぎているので、これじゃ勝てないだなろうな・・・って思いました。
二人は言い合いになり、お互い自分の悪い部分を出してしまいますが、他人には話したくないことを話すようになります。フォンシアが途中で泣き出すと、人が変わったようにウェラーはやさしく言葉をかけます。その言葉はウェラーにしかかけられないと思います。同じ言葉でも言い方だったり、誰が言うかによって受ける感じがまったくちがうから。家族とは縁の薄い二人だけど、この施設で出逢って友人になれて本当に良かったと思います。
ラストに感じたことは千穐楽が終わってから書きたいと思いますが、わたしはとても心地のいい終わり方でした。素敵な加藤さんと竹下さんに心から拍手を送りました。劇場全体がやさしい拍手に包まれている感じがしました。

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