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義庵2nd ACT「審判」公演感想 [公演感想]

義庵 2nd ACT「審判」
作:バリー・コリンズ
翻訳:青井陽治
演出:加藤健一
出演:加藤義宗
場所:せんがわ劇場

【感想】(鑑賞日:2022.6.26)
着席すると舞台には証言台が1つ。これから「審判」が始まるって思うと緊張してきました。私は2時間半ちゃんとお芝居が観れるだろうか?という不安がよぎったりするのはこのお芝居ならではだと思います。始まるとそんな不安は感じることなく、ヴァホフ(加藤義宗)の証言に釘付けになっていました。

今回、見かけ上のことと、本当のことはちがうんだって強く感じました。ヴァホフは元気だった時の同胞の話をします。発見された時の変わり果てた姿とはちがうんだってことを伝えたたいから。そして「人の肉を食べる」という言葉から多くの人が想像することと、実際はちがうんということを伝えてくれます。実話では発見された二人はどちらとも言葉を話せる状態ではなかったけれど、お芝居では真実を語るためにヴァホフは証言してくれているし、私はちゃんと聴かなくてはいけないって思いました。前回はこの場所から逃げ出したいって思ったけれど、今回は思わなかったです。前回の感想はこちら それと一人一人はちがうんだって言葉も印象に残りました。

「ヴァホフに罪があるのか?」という問いですが、私は今回罪があると冷静に思いました。ただヴァホフだけに罪があるのではなく、戦争をおこした人たち、戦争を止めることができなかった人たちにも罪があると思います。ラストにヴァホフの上に十字架が浮かび上がるのですが、その十字架は重たいものだと思います。

ヴァホフがルービンと二人になってからの様子を聴いていると、涙がとまりませんでした。ヴァホフの深い愛情を感じます。こういう愛もあるんだ・・・って思いました。泣いた後はすっきりした気持ちになっていました。

ヴァホフの顔がラストに近づくにつれて変わっていきます。険しくなってきたりして、まるで別人のようでした。その顔を見て、これは義宗さんの「審判」だなぁ~って感じました。

今回のラストは加藤健一さんの「審判」のラストと同じ青い背景と「イルカのテーマ」が流れました。やっぱりこの青と音楽はいいなぁ~ 心が解放されていく気がしました。

カーテンコールのあたたい拍手はなかなか鳴り止みませんでした。私も心から拍手をしていました。
明かりがついてもなかなか席から立ち上がれないくらいのお芝居でした。観ることができて良かったです。感謝しています。
主演の加藤義宗さん、演出の加藤健一さん、そしてスタッフの方々、素晴らしいお芝居を上演してくれて本当にありがとうございます。

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