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「夏の盛りの蝉のように」初日感想 [公演感想]

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加藤健一事務所vol.113
「夏の盛りの蝉のように」
作:吉永仁郎
演出:黒岩 亮
CAST:加藤健一 新井康弘 加藤 忍 岩崎正寛(演劇集団 円) 加藤義宗 日和佐美香
STAFF
美術:柴田秀子 照明:石島奈津子 音響:秦 大介 映像:浦島 啓 衣裳:中村洋一 ヘアメイク:馮 啓孝 舞台監督:笹原久義
上演時間:2時間45分(休憩15分を含む)

【あらすじ】
日本を代表する浮世絵界の巨匠、葛飾北斎。北斎の弟子の中では筆頭にあげられた蹄斎北馬。武士でありながら肖像画を描いて日本一と言われた渡辺崋山。遅咲きながら武者絵や戯画など独創的な浮世絵を生み出した歌川国芳。そして、晩年まで父・北斎の画業を助け、北斎の画才を受け継ぎ一目置かれる絵師となったおえい(葛飾応為)。
舞台はこの絵師たちが己の絵の道に葛藤し活躍した文化13年(1816年)から安政5年(1858年)。それぞれが生き様や志を絵にぶつけ北斎に立ち向かうも、いくつになっても頂点であり続けようと向上心むき出しの“化け物”に打ちのめされ、己の不甲斐なさに怒り悲しみ、そしてそれを活力にまた筆をとる。変化する時代の波に翻弄されながら、家柄や流派を超えて切磋琢磨し、世の中を相手に絵師として熱く議論を戦わせる江戸の者たち。暑く眩しい季節に忙しなく聞こえてくる、あの夏の盛りの蟬のように。(加藤健一事務所HPより)

【感想】(ネタバレあります)
加藤健一事務所公演「夏の盛りの蝉のように」本多劇場初日を観てきました。
それぞれの登場人物の生き様を観ることができて、とても面白かったです。
葛飾北斎(加藤健一)はすごく格好いい。絵を描くことへの情熱、頂点を極めようとする気迫が伝わってきて、さすがだなぁ~って思いました。北斎の話す一言一言が心に響いてくるし、無言で絵を描いている姿にも目を奪われました。
渡辺崋山(加藤義宗)は本当は絵だけを描いて生きたいと思っているのに、武士を捨てられない人で、見ていてちょっとイラっとしました。昔の私に似たところがあるせいかも(苦笑)北斎から才能を認められ「武士の代わりはいくらでもいるけど、崋山の絵は崋山しか書けない」とまで言ってもらっているのに、勿体ないなぁ~って思います。
蹄斎北馬(新井康弘)は登場すると、ほっとします。浮世絵の歩みなども紹介してくれて、その説明がわかりやすかったです。穏やかに見えるけれど、心の奥には絵師としての葛藤をかかえているのがラスト近くでわかりました。
歌川国芳(岩崎正寛)はまだ絵が売れていない時に「若い頃は駆け出しでよかったけれど、10年たったらそんな看板担いでられねぇ」っていう台詞は、そうだよなぁ~って思いました。
おえい(加藤忍)は12歳の子供から50代まで演じるけれど、その時々の気持ちが伝わってきます。ラスト近くのお酒を飲むシーンが特にいいな~ 
おきょう(日和佐美香)は色っぽいです。それでいて嫌らしくない。ふわっとした感じの女性で素敵です。
ラストにそれぞれの想いをもう一度繰り返して話すところがあるのですが、それを聞いてまた最初から観たいって思いました。このお芝居、奥が深いです。観る度にちがうことを発見すると思います。次に観るのがとても楽しみです。

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