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「寿歌」TVで観た感想 [公演感想]

先月、BS2で放送された「寿歌」の感想、遅くなってしまったけれど書きますね。

あらすじは、核戦争が終わったあと、残りもののミサイルが飛ぶ中、家財道具
をリヤカーに積んで、ゲサク(加藤健一)とキョウコ(三輪裕美子)がやってくる。
二人は旅芸人である。そこへ謎の男・ヤスオ(星 充)がお腹を空かして現れ
る。そしてこの3人は一緒に焼け野原を旅すること・・・

なんかわからないところがあって、もう一度観たくなるお芝居ってあるんだけど、
このお芝居もそうでした。
とっても不思議な世界。
登場するのは、ゲサクとキョウコとヤスオだけで、セットも特になし。

核戦争が終わった世の中って、灰色で何もない・・・って思い込んでたけど、
そうじゃないみたい。人も生き残ってる。
でも、今は当たり前のように見えている夕焼けや星なんかが、見えないって
いうのは寂しいだろうな・・・ まるで別世界にいる感じかも。

そんな中で、リヤカーを引きながら、芸を見せて旅をするゲサクとキョウコは
変わってる。テンションが高くて、わけのわからないことを言うし、かなり陽気。
でも、「人間の死」に直面してきてる・・・っていうのをポツポツと感じる台詞も
あったり。
あまりにもたくさんの「死」を経験すると、こういう感覚になるのかな・・・って
思いました。

「やさしいな・・・この人」って感じるところがあるんだけど、それもポツポツと
なんですよね。
このポツポツっていうのが、よかったな~
押しつけがましさがなくって。

お芝居はかなりテンポよく進んで、ヤスオは「物品引き寄せの術」というのを
持ってるし、ゲサクは「弾丸受け止めの術」を披露してくれるし、かなり可笑し
いです。
「突然、何を言いだすのか?」って感じで台詞は進むし、それも早口なんで、
最初は何を言ってるのかわからなかった。
まぁ、わからなくても面白いんだけど、わかるとさらに面白かったです。

登場人物についてですが、ゲサクは色んなことを知っていて、芸人って感じの
人です。
そして、“生命力がある”っていうか、どんなところでも生きていけそうなパワー
を持った人。でも、時々、ふっと寂しそうな表情をするんですよね。
わたしはこの人、今、何を考えてるんだろう・・・と思いながら観てました。

キョウコは、純粋でかわいいし。
ヤスオを好きなのかな?って思ったり、でも、やっぱりゲサクと旅するために
戻ってきたり・・・
そのとき、ゲサクはとってもうれしそう^^)
「寿歌」という歌をキョウコが歌うんだけど、それがとってもやさしい感じの
するいい歌でした。

ヤスオは、不思議な人。
なりゆきで“ヤスオ”って呼ばれてるけれど、ほんとはちがうんじゃないか・・・
とか思ってしまう。
そして星さんにぴったりだって思いました。
どこを見てるかわからない表情をするときがあるんだけど、そういう空気って
他の役者さんじゃだせない気がする。

ゲサク、キョウコ、ヤスオの3人って、何も考えてないようで考えていて、
色んなことを感じているんだけど、感じてないように見せてるのかな・・・
って思ったりもします。
楽しさと哀しさが入り混じったお芝居でした。
これって、実際に舞台で観てたらどういう風に感じるんでしょうね。

放送された「寿歌」は、1982年に上演されたお芝居です。
リアイタイムで観ることはできなかったけれど、TVで観ることができて
よかったです。
加藤さんと関西弁って似合わない気がしてたんだけど、意外にスンナリと
入ってきました。
なによりゲサクとキョウコは関西弁を話さないと、何か別の人になる気が
します(笑)

おまけ
ブログペットのMashが詠んだ俳句をご紹介しま~す。
なかなかのもんでしょ^^)
Mash0711.jpg


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BlogPetのMash

Akariが一緒するの?
by BlogPetのMash (2008-08-07 14:36) 

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