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「Taking Sides それぞれの旋律」京都公演 [公演感想]

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【感想】(ネタバレあります)
加藤健一事務所公演「Taking Sides それぞれの旋律」京都府民ホール・アルティで観てきました。このお芝居、観るたびに台詞の力を感じます。アーノルド(加藤健一)は「芸術の良さも音楽の力もわかってない人」だと思っていたのですが、「フルトヴェングラー(小林勝也)が国民に及ぼす影響」と「芸術の力」はよく理解していて、それが故に大物フルトヴェングラーの罪をあれほど執拗に追及したんだろうな・・・と思いました。
私はこれまで「どちらの側につきますか?」の問いかけを「フルトヴェングラー側か? アーノルド側か?」って思っていて、その答えは半々でした。
でもあなたは「ナチ側か? 非ナチ側か?」の問いかけだと思うと、"何も考えずにいると、独裁者側についていることになる”、という警告を受けているように感じました。

フルトヴェングラーが芸術や音楽について語るところは、信条が伝わってきて涙がでてくるほどですが、デイビット(西山聖了)の「偉人だったら、何をしても許される」っていう言葉はひっかかります。無条件に賛美するのって怖い。「ヒトラーがウィーンにやって来たら、当時のウィーン市民は歓喜した。でも政権が変われば、ほとんどの市民はそんなことはしていないと言ってる」というエピソードがお芝居の中で紹介されましたが、そういうのも怖いです。

終演後のアフタートークは、出演者6人の方が自分の役作りのことや決め台詞を話してくださって、とても楽しかったです。
加藤さんは「自分とはまったく正反対の役だからやり易かった」って笑って話されてました。膨大な台詞にはお稽古が始まる前から覚える作業に取り掛からないと、覚えられないそうです。それと「台詞が一本調子にならないよう、変化をつけて相手に投げかけるようにしている」と聞いて、すごいなぁ~と思いました。

来年もまだ演目と日程は発表できないけれど、京都府民ホールで加藤健一事務所の公演が予定されているそうで、とてもうれしいです。

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